Shiny Music Vocal School
代表ボイストレーナー齊藤信也です。
今回は、
「地声は音痴」
という少し刺激的なお話をします。
えっ、
そんなバカな!
そう思われた方も多いかもしれません。
もちろん、
地声で歌うと全員が音痴になる
という意味ではありません。
でも、
地声だけで歌おうとすると、
音程が不安定になりやすいんですよ。
これは、
多くの方に当てはまる事実です。
では、
その理由をお話しましょう。
先月、
体験レッスンに来られた方のお話です。
その方のお悩みは、
「音痴を直したい。」
でした。
お話を聞くと、
「歌は大好きなんです。
でも音痴なので人前で歌うのが恥ずかしい。
できればMrs. GREEN APPLEの『青と夏』を
気持ちよく歌えるようになりたい。」
とのことでした。
そこで実際に歌っていただきました。
歌い出し、
「涼しい風吹く 青空の匂い
今日はだらっと過ごしてみようか」
ここは意外にも、
それほど音は外れていません。
ところが、
サビに入ると・・・
「夏がはじまった 合図がした…」
この
「はじまった」
あたりから急に音程が崩れ始めます。(残念)
しかし、
よく聴いてみると、
音痴というより、
「高い音まで声が届いていない。」
音でいうと、
G4(ソ)付近から音が上がらなくなっているのです。
つまり、
高音が出ないために、
狙った音より低く歌ってしまい、
結果として
「自分は音痴なんだ」
と思い込んでいただけでした。
原因は、
「地声だけで頑張って歌っていたこと。」
ここでした。
以前にも
お話ししたことがありますが
地声は、
声帯全体を厚く閉じて振動させる発声です。
力強い声になりますが、
高音になるほど限界がきます。
高い声を出すには、
声帯を細く、
長く引き伸ばして振動させる必要があります。
ところが、
地声だけで歌おうとすると、
声帯が厚いままなので、
振動数が追いつかなくなります。
すると、
喉を締め、
力で押し上げ、
音程までズレてしまう。
つまり、
地声だけでは、
高音ほど音程が不安定になりやすいのですよ。
では、
Mrs. GREEN APPLEの
大森元貴さんはどうでしょうか?
あれだけ高い音を歌っていますが、
実は、
地声だけで押しているわけではありません。
声帯をしっかり伸ばし、
裏声の要素を巧みに使いながら歌っています。
だから、
あれだけ高い音でも、
音程が安定しているんですね。
そこで私は、
その方にこう伝えました。
「高い音は、
裏声を使っていいんですよ。」
すると、
返ってきた言葉は、
「えっ?
裏声で歌うんですか?
裏声は使っちゃいけないんだと
思っていました。」
実は、
この考えの方、
本当に多いんですよ。
でも、
実際は逆です。
高い音ほど、
裏声をベースにして、
そこへ少し地声を混ぜていくんですよ。
これが、
いわゆる
【ミックスボイス】
の考え方です。
その方は、
「目から鱗です!」
と驚かれていました。
そこから、
裏声のトレーニングを始めました。
高音を張り上げない。
裏声を使っていい。
この2つだけを意識して
練習していただいたところ、
なんと!
『青と夏』のサビにも、
少しずつ対応できるようになってきました。
もちろん、
まだ地声と裏声の切り替えは完璧ではありません。
でも、
確実に音程は安定し始めています。
もしあなたが、
「自分は音痴だから…」
そう思っているなら、
一度考えてみてください。
本当に音痴なのでしょうか?
それとも、
高い声を全部地声で歌おうとしているだけ
ではありませんか?
音痴だと思っていた原因が、
実は、
「発声方法」だった。
そんなケースは、
私は28年間のレッスンで何度も見てきました。
音感が悪いからではなく、
声の使い方を知らなかっただけ。
そんな方は本当にたくさんいます。
だからこそ、
高音になればなるほど、
頑張って押し上げるのではなく、
裏声を味方につけることです。
この考え方が身につくと、
高い声も、
音程も、
驚くほど変わっていきます。
あなたも、
「地声だけで頑張る歌」から卒業して、
裏声を味方につけた歌い方を、
ぜひ身につけてください。
きっと今までとは
違う景色が見えてきますよ。
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この記事を書いた人
齊藤信也(ボイストレーナー歴28年)


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